移乗や床ずれ防止のための体位変換などの身体介助は、体力が必要な業務です。そのため、介護職に就く人は、体力のある若い人が適していると思われてきました。しかし、介護職員不足や高齢化社会が加速する中、中高年のマンパワーにも注目が集まりつつあります。
中高年と聞くと、介護される側に近く、介護現場では戦力にならないイメージがあるかもしれませんが、これまで培ってきた人生経験はそれを補う強みになりえます。しかも、介護業務で必要なスキルは、介護職員初任者研修や実務者研修など、誰でも受講可能なカリキュラムでマスターすることができるので、たとえ経験がなくても問題ありません。やる気と熱意があれば、介護の仕事はいくつになってもチャレンジできます。
しかし、いざ介護職として働こうというときには、いったいどのような仕事を任されるのかが気になることでしょう。そこで、ここでは介護職の仕事内容についてお話します。介護の仕事を無資格のままはじめるときには、食事の配膳やベッドメイキングをはじめ、施設内の清掃や備品管理などが主な仕事になります。また、訪問介護の仕事なら、買い物の代行や洗濯などの生活援助が中心になるでしょう。このような仕事は、資格がなくても可能なので、ハードルはかなり低いといえます。ちなみに資格を取得していれば、このような雑務ではなく、食事や入浴介助、おむつ交換などの身体介助や、レクリエーション活動の企画や運営にも携わることができます。